銀座の路地の角に関東大震災の直後から佇み続ける所謂「看板建築」を、映画の美術監督であるクライアントのギャラリーとアトリエ兼用住宅にリノベーションするプロジェクト。
何代もの歴史を内包する建物を住み繋ぐクライアントとご家族は、沢山の人々が関わった大切な建築を、建替えではなく、銅葺の外壁を中心として保存し活用していく事を望んだ。
ギャラリーは裏的な場所に配し、銀座に奇跡的に残された古い深部に段々と迷い込んでいく様な雁行型の奥性のある空間とした。
対して住居部分は環境とアクセスから長手道路側に配置し、1階からルーフトップまでをつなぐ吹抜け階段で垂直な光のグラデーションに導かれるように都市の空に昇っていく。
2Fのアトリエは多用途的空間として、キッチンと繋いでパーティや料理教室など多彩に使うことも想定した。ルーフトップは街に漂う書斎空間となり、階段を介して下階へ風と光を届け、外には段状テラスを置いて銀座の夜にシアターを浮かばせることを計画している。
世紀を超えて保存される空間の両極に、深まる奥性と上昇する明度とを宿して、移動する視覚の背景となり、都市の一角の多様性を増強していきたいと考えている。
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